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レビューR18『復讐の為に鐘は鳴る』

※サムネ用画像




今回の記事は成年向けの内容を含みます。了承の上、読み進め下さい。


▽やぁやぁ、花火大会で風邪を貰っちゃったのか調子が悪いうぃずだよ。

 そしてその後、会社休んでブログ冒頭書いて寝落ちとか……なかなかに残念なムーブしてますよ先輩

▽それなー……一体何してるんですかね……いや、ソフィアの新差分が150枚以上増えたのを加工して疲れてたんだよ、許して。

 いやいや、描いて頂いたものを有効利用出来る形に加工するのは義務ですから、言い訳にしないでください。
 いいから、さっさと本文行きますよ。

▽ソフィアが厳しい……仕方ないな、それでは。

 
本文へ、どうぞっ!



復讐の為に鐘は鳴る【書き下ろし特典付き】 (DIVERSE NOVEL)

復讐の為に鐘は鳴る
著 ろく 先生
イラスト 三品 諒 先生

あらすじ

 クラスメイト全員からイジメられていた少年は、突然異世界にクラス転移してしまう。

 異世界に飛ばされても繰り返されるイジメに耐えかねた少年は一人逃げ出し、この世界で同じく迫害されていた魔女たちに与し、復讐を決意する。

 現実世界の名前を捨てて通称ネロと名乗り、同志の魔女を集めながら復讐の機会を窺う。

 そうして見つけ出した復讐の手段は、魔女に催眠を施し、欲求を揺さぶることで発現する【固有魔術】を利用することだった——。

 書籍化に伴い読みやすく大幅改稿!

 書き下ろしに本編の幕間の物語『魔女の館と空飛ぶ憂鬱』を収録!


 さて、2作続けてDIVERSE NOVELさんの作品のレビューという訳だけれども、今回の『 復讐の為に鐘は鳴る』も当然成年向け作品となっているよ。

 タイトルの通り、復讐を最終目的とした『復讐譚』である訳なのだけれども、創作において『負の感情』と『エロティシズム』というのは非常に相性が良くてね。

 例えば成年向けカテゴリとして『NTR』や『強姦』はメジャーとして、そうでなくても『蠱惑的な格好をした悪の女幹部』なんてのも良く使われるよね。

 本作ではその負のテーマを『復讐』としている訳だ。


 特徴的なタイトルですが、アーネスト・ヘミングウェイの小説『誰が為に鐘は鳴る』のオマージュでしょうか?
 あちらは戦時中を舞台にした悲恋譚でしたが……。


 主人公ネロが、過去に受けたイジメに対する復讐の為に、同じく異世界で虐げられる存在である魔女の力を使って復讐を目指す物語という訳なのだけど、1巻時点では『軽く復讐に入ったかな?』位で終わるため、弱者が強者を見返す的なカタルシスはあまり望めない。

 これは次巻以降へのお楽しみ、ということにしておくとして、では1巻とはどのような内容なのか? ということに触れていくよ。

 成年向けノベルであるからには、『行為に至る理由』というのがある訳なのたけど、この作品では『魔女の魔力を上昇させる為』という設定になっている。

 良くある『精を受けることで~』ではなく、その際に発生する根源感情への揺さぶりによってという理由付けは個人的にかなり好きで、行為の際も魔女の業の1つである『誘導催眠』を駆使して魔女達の感情の奥底を解放しようとする訳だ。

 近年の類似設定作品としては、『回復術士のやり直し』という作品もありましたね。
 あちらは『勇者の体液を取り込むとレベル上限が上がるスキル』という『回復術とは全く関係ない』少々ご都合主義なものでしたが……。


 この誘導催眠についてなのだけど、実はこれ現実にもある技術でね。

 例えば『催眠療法(ヒプノセラピー)』というのは、音楽やお香を使ってリラックス状態にした患者に対して、様々な言葉でその精神の根底にあるトラウマの原因などを引き出して、自発的な克服を促すというものだ。

 作中の誘導催眠というのは正にこれで、同じ単語を繰り返しての印象付けをしきりに行っている。

 その性で行為のシーンは文章的にはあまり美しくないのだけれども、上記の理由があるから批判も出来ない感じ。理にはかなってるのだよね。

 成年向け描写の手法とも被りますしね。連呼やオウム返しというのは……。
 どこかで描写を短縮するだとか、地の文である程度その流れを描写、という形にした方が読みやすさという点で良くなったかもしれませんね。


 行為以外の描写に関しては詩的に描かれている辺り、設定を意識しすぎているのかもしれないね。

 特に気に入ったのは、主人公ネロは『深爪近くまで爪を切っている』という描写。

 勝手な憶測でしかないけど、これはネロの根源にある『臆病さ』だとか『慎重さ』を表しているんじゃないかなって。

 この表現だけで、キャラクターの性格を描写仕切っているのは素晴らしいよね。

 複数の魔女との行為を重ねて、復讐の為の準備を進めていく訳なのだけど、そんな時に隠れ住んでいる住居の付近に、奴隷の少女リタ・ターナーが逃げ出してくる。

 それを色々あって助ける形になる訳なのだけど、このぽっと出にも思える奴隷少女の存在が実は巧妙な対比になっていてね。

 実はこの娘は魔女の系譜でありながら、魔女が生き続ける為に必要な代償行為『獣姦』を必要としない(魔法が使える訳では無い)存在だった訳なのだけど。

 そんな彼女の存在に対して、ネロが吐き出したセリフを以下に抜粋したいと思う。


『魔女の魔女たる所以は獣姦だよ。物心つく前から獣姦をしている君たちにはわからないかも知れないけど、人間の価値観からしたら、それは在り得ないんだよ。魔女だって人間なんだ。なのに獣姦なんてものが生涯ついて回る。だから迫害の理由になる。それが迫害の理由なら、少しだけ、少しだけなら理解してもいい。迫害の理由として納得したっていい。それを、獣姦の必要のない魔女の系譜? じゃあリタは人間? 魔女? 奴隷なら物扱いで人間じゃない? 奴隷印が消えた今の彼女はなに? 人間に戻ったの? もう物扱いされないの? みんな真っ当な人間として扱ってくれるの? …………だったらなんで僕は迫害されたんだよっ! 僕は人間なのにっ! 最初から最後まで人間だったのにっ! なんで僕はあいつらに――』

彼女の存在によって、ネロは自身の過去を『フラッシュバック』して発狂しかけてしまう訳ですね……。

 
 そういうこと。リタ・ターナーは魔女と奴隷という理由があって迫害を受けていたという事実と、では自分は人間であったのに何故迫害されていたのか、という対比だね。

 この描写によって、主人公に根付いたトラウマの深さと復讐の理由が読者にも伝わったことだろう。

 リタの登場により、物語は急速に面白みを増していくこととなる。正直ここまではいつまでセックスしてんねんとか思ってたけど。


…………。


 いや、だってタイトルの復讐らしさ出てこなかったんだもん……。

 ところでリタに関して魔女の1人、ローレライはこのような発言をしている。

『三ヶ月で逃げ出すわ。三ヶ月保てば、しばらく大丈夫かしらね。でも三年以内には必ず脱走するわ。必ずよ』――と。

 この『三ヶ月、三年』という期間というのは、脳内分泌物質の1つであるフェニルエチルアミンというホルモンが活性化する期間のことなのかな?

 巷では良く『恋愛ホルモン』だとか『天然の惚れ薬』なんて言われ方をするみたいですね。恋愛状態の脳は、このホルモンを良く分泌するらしいです。


 まぁ、助けてくれた命の恩人だし、そういう感情になるのはおかしくない。この『三』という数字をわざわざ使った辺り、作者は良く調べていると感じたよ。

 リタの登場で加速を始めた物語は、復讐対象の1人である『元クラスメイトの委員長』を捕獲し、幻覚による『 主人公の受けた迫害の追体験』をさせるという形で1巻は終わる。

 この時点では委員長の顛末まで描かれていないため、正直復讐譚としては消化不良感は否めない。

 だが、設定はかなり良く練られていると感じたし、行為のシーン一つ一つをとっても、『女体盛り』だとか『目隠し』と何処か背徳的なラインナップなのは『復讐』という仄暗いテーマに相応しく、故に世界観に馴染む。

 問題として、1巻としては登場キャラクターが多すぎて覚えにくいってのがなかなか致命的だったかな……飛行能力の魔女とか、双子の魔女だとか1巻ではあまり必要性も無かったしね。

 先輩は『美しさ』とか気にしすぎなんですよ。ライトなものなんだから、『ヒロイン多い選び放題ヤッター!』程度に考えればいいじゃないですか。


 多いとそれだけ、1人に当てる時間がね?
 個人的趣向にはなるのだけど、やっぱり1人1人をただのオブジェクトにはしないで掘り下げてほしいからさ……特にヒロインの魅力も重視される成年向けカテゴリだとね。

 んー、しかし思ったよりも深さのある物語みたいで、かなり楽しめたよ。

 正直最近の『復讐譚』ってかなり杜撰な物が多くてさ、重要な部分は掘り下げられずに取り敢えず世界に復讐する、的な。あまり美しくないよね。

また言ってる……。


 矢張り復讐譚っていうのは、限界まで悲惨な目に合わせて、理不尽に理不尽を重ねて世界を憤怒の炎で焼き尽くすほどの激情を与えて、それを一気に解放する……その瞬間が最高に気持ちいいものだからね。

 その点に関して、主人公の掘り下げは十分行われていると言えるし、後は各魔女達の過去を落とし込めば完璧な土台が出来ると思う。

 次巻以降も、どんどん読者にストレスを与えて、けれども離れない程度に少しずつ復讐を重ねて言って欲しいと思う。

 これからに期待が出来る1冊故、是非ともライトノベル読者は買って読んで欲しい……!


復讐の為に鐘は鳴る【書き下ろし特典付き】 (DIVERSE NOVEL)


▽DIVERSEの狗です。(非公認)

▽ネロ発狂のシーンとかかなり好きだね、やっぱりあれこそ復讐譚の醍醐味の1つだし。

 私はどのシーンとは言い難いですね。全体に散りばめられた、魔女達の嫉妬やネロを巡る小競り合いは、同じ女性としてなんとなーく共感しちゃいますけども。

▽そういうのは好きな人が出来てから言うことじゃ。

ソフィアの恋人はライトノベルと読んでくださっている先輩方ですからっ!


▽……はいはい。

▽さて、それではこの辺りで。

▽次回はガガガ文庫辺りからのレビューになるかな?

▽積んでる本をどうにか消化しないとね……。

▼それでは。貴方のライトノベルライフが潤わんことを。


 また会いに来てくださいね、先輩っ。









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