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レビュー『 貴方がわたしを好きになる自信はありませんが、私が貴方を好きになる自信はあります』

『 もし仮に、世の中の人間をふたつの種類に分けるとしたら。あなたなら何と何に分けますか?』

『 吸血鬼とそれ以外、だな』

『 いいえ。運命の人に出会えるか出会えないか、です』


――ダッシュエックス文庫刊『 貴方がわたしを好きになる自信はありませんが、わたしが貴方を好きになる自信はあります 著 鈴木大輔』
10p・12pより引用



▽第一印象、タイトル長ェッ!

▽そんな風に思う人が大半だろうこの作品、通称『 あなわた』のレビュー。

▽初レビューからなんだそのタイトルは……なんて思った貴方、きっとこの作品を読めば新たな刺激が得られるだろうと思う。

▽斯く言う僕も、最初はタイトル見て『 おおぅ……』と困惑していたものだ。

▽とある書店の『限定版箔押しブックカバー』のあまりのカッコ良さに惚れて買ってみて、その内容の密度に圧倒されたことは記憶に新しい。


▼それでは、本文へどうぞ▼


貴方がわたしを好きになる自信はありませんが、わたしが貴方を好きになる自信はあります

著 鈴木大輔
イラスト タイキ
ダッシュエックス文庫刊


 『文句の付けようがないラブコメ』著者の鈴木大輔先生の新シリーズである『あなわた』ですが、先

日発売した2巻が最新刊となっています。
 著者曰く『 好きが爆発した』作品であるこのシリーズは、それ故に読者を惹き付ける要素が数多く盛り込まれています。

 キーワードを並べるだけでも


・吸血鬼
・歳の差恋愛
・28歳のバーテンダー
・14歳のヒロイン
・現代社会舞台のハードボイルド・ファンタジー


――とこれだけでも読んでみたくなる人は多いでしょう。

 特に、吸血鬼なんてのは使い古されていても尚魔性の魅力を放ち続ける存在ですからね。

 しかし、本作の吸血鬼はいわゆる『ライトノベル的吸血鬼とは全く違います。

 その存在は『 天災』であり『 カルト的』に描かれており、となればそれを対策するのを生業とする人間も居る訳です。

 それが主人公『神谷誠一郎』です。

 彼は、池袋の横丁でバーを経営しているバーテンダーで、趣味はアンティークの収集と修理。

 その夜の顔が、蔓延る吸血鬼を狩る『狩人』――どうです、既にある種の人種を惹き付けてやまないでしょう?

 そんな彼の元に、突然転がり込んでくる少女。

 『綾瀬真』と名乗る彼女は、主人公にとっては獲物足る『吸血鬼』でした。

 しかし、その衝動を完全に抑えこんでいる彼女を狩ることはしません。主人公は人間らしくある限り、それは人間であると考えているからです。

 しかし本当にそれだけの理由がでしょうか?

 そんなはずはありません、この世界の中で吸血鬼は災害たる存在です。

 『綾瀬真』は彼の知ってるある人間に瓜二つでした。

 きっとその人物に重ねたということもあるのでしょうか、色々あって彼女を保護することになり――そんなお話。


▽吸血鬼ハンターと自我を完全に保った吸血鬼の少女、こんな組み合わせで何にも巻き込まれないはずはなく。

▽『何故人間らしく或れるのか』その理由、や池袋の裏の住人の様々な思惑が複雑に絡まりあって、何とも硝煙と煙草の臭い漂うハードボイルドな世界観が展開されていくね

▽そんな中でも明るく、知略的なヒロインの言動が潤滑油となって、どんどん先に読み進めていってしまう不思議な魅力がある作品だ。

▽著者の前作『文句の付けようがないラブコメ』もそうだけど、意識の埒外から突然面白さが湧いてくるような、独特の文章構成がされているね。

 ライトノベルといえば『ヒロインの魅力重視』『内容は二の次』なんて思われがちだけど、この作品はそれらを高水準で満たしつつ、しかしテンプレ的にならない舵取りがされていると言える。

▽登場人物が皆『賢しい』のも魅力の1つ。

▽主人公やヒロインを引き立てる為に、極端な人格や状況が描かれることの多い界隈の中で、繰り広げられる読み合いの舌戦はそれだけでストンと満足感を与えてくれる。

▽時折ページ左下にぴょこっと登場するヒロインにもふふっと笑わされる、それがアクセントになってどんどん読み進められるというもの。

▽まだ2巻までしか刊行されておらず、これからも続いていくことが期待される作品、是非とも皆様も手に取っていただきたい。

▼因みに、公式ホームページにて試し読みが可能ですので下のリンクからどうぞ▼


ダッシュエックス文庫 貴方がわたしを好きになる自信はありませんが、わたしが貴方を好きになる自信はあります


 

 



 

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