レビュー『ハル遠カラジ』

※サムネ用画像



▽らのらの。

▽ソフィアのイラストをずっとにやにやしながら眺めてるうぃずだよ。

▽オリジナルキャラって、良いよね……。

▽このブログは普段、家でせこせこ書いているのだけれども、雨で湿度が高くてね。

▽家を飛び出して、とあるテラスで書いているよ。

▽程よい環境音がいい感じに筆を進ませてくれるね。

▽あと今回から、諸事情によりサムネ画像を上に持ってくることになったよ。

▽こうしないとソフィアの顔がサムネに……

▽さて、それではそろそろ。

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ハル遠カラジ (ガガガ文庫)

ハル遠カラジ
著 遍 柳一 先生
イラスト 白味噌 先生

あらすじ
 たとえそれが、人でなかったとしても。
これでも私は、身のほどはわきまえているつもりである。
 武器修理ロボットとして、この世に産まれた命。
 本来であればその機能を駆使して人間に貢献することが、機械知性の本懐とも言えるだろう。

 しかし、どうもおかしい。
 人類のほとんどが消え去った地上。主人であるハルとの、二人きりの旅路。
 自由奔放な彼女から指示されるのは武器修理のみに留まらず、料理に洗濯と雑務ばかり。
「やるじゃねえか、テスタ。今日からメイドロボに転職だな」
 全く、笑えない冗談である。
 しかしそれでも、ハルは大切な主人であることに違いはない。
 残された時を彼女のために捧げることが、私の本望なのである。
 AIMD――論理的自己矛盾から生じる、人工知能の機能障害
 私の体を蝕む、病の名である。
 それは時間と共に知性を侵食し、いつか再起動すらも叶わぬ完全停止状態に陥るという、人工知能特有の、死に至る病。
 命は決して、永遠ではないから。

 だから、ハル。
 せめて、最後のその時まで、あなたとともに――。
 第11回小学館ライトノベル大賞ガガガ大賞を受賞した『平浦ファミリズム』の遍柳一がおくる、少しだけ未来の地球の、機械と、人と、命の物語。


ほら、早くいつもの評論してくださいよ。役目でしょ


▽待って、今書くから……ッ!

 AIを搭載した戦闘補助ロボット『テスタ』と戦争孤児『ハル』は『テスタ』の自己論理矛盾から生じる精神疾患『AIMD』を治すために、機械の医者『医工師』を探して旅をするという物語。

 この作品の世界では、とある現象によりほぼ全ての人間が『消失』しており、いわゆる『荒廃世界』で展開される『人と機械』の触れあいをテーマにした作品となっている。

 人工知能や機械の『バグ』をテーマにしたというのはこれまでにも多くの作品が世に放たれており、例えば『プラスティック・メモリーズ』では『AIの耐用年数』を主軸においたロボットとのラブストーリーが描かれ、『ターミネーター』シリーズなんかも、広義ではこの分類に当てはめることができるだろう。

 さて、それら大きな先駆けと比べてのこの作品の差別化点だが、『自己言及のパラドックス』に触れられていることで、それがテーマのひとつでもある。

自己言及のパラドックス(クレタ人のパラドックス)とは

『クレタ人は嘘つきである』
上記は虚偽である。とクレタ人は言った。
というような文章があったときに生じる矛盾で、この文であれば

『嘘つきのクレタ人が私たちは嘘つきだと言った』

のなら

『では嘘つきでは無くなるためやはりクレタ人は嘘つきだ。ならクレタ人は嘘つきではなく――』

となり、矛盾が生じる、パラドックスの一種です。
覚えて帰ってくださいね、先輩


 テスタというロボットは、戦争の補助をするために製造されたロボットであり、その機能は『兵器の製造と運搬』である。
 
 簡単に言えば『人を殺すためのロボット』であり、その彼女が『人間を守る』ということは存在意義すら揺るがす矛盾になりうる。
 
 この自己存在の論理矛盾が、この作品のAI搭載ロボット達を蝕む『精神疾患 AIMD』であり、これがこの作品を面白くする設定となっている。

 さて、先ずは全体の構成や読みやすさから語ろう。

 先ず、構成だが『無駄が多い』と言わざるを得ない。

 特に、ハルと出会うまでのテスタの過去話の件は、確かに絶対必要な内容なのだが、1巻でやるには致命的に長すぎるという問題点がある。

 全387Pのこの作品の中で、157~312Pとおよそ半分が過去の回想に当てられており、これが相当なテンポロスとなってしまっている。

 その間ヒロインとなる『現代のハル』は当然登場するわけないので、正直退屈にすらなりうるという問題は大きすぎるだろう。
 
 本来であれば、次巻以降も含めて小出しにしていくべき設定を1巻で語りきってしまっているのだからそりゃそうである。

 この回想はAIMDによる『強制停止』中に差し込まれるものであり、それだけ長い時間眼を覚まさなかったという表現ではあるのだが――読者を置いてけぼりにしてしまっては何の意味もない。

 正直に僕の感想を言えば、世界観も設定もかなり好みであった為、このようなことを書くのは心が痛いのだが、事実ゆえ仕方がない。

 文章もひねくれていない正当派であった為、過去編だけがこの作品の足を引っ張っていることになっているのが非常に残念である。

 但しそこを除けば、後半のテスタの心理変化だとかタイトルの意味だとかを考えたとき、胸が熱くなることは間違いない


「私の『娘』に、手を出すな」
っていう単純な台詞でも、かなりの破壊力ありましたしね。あれずるいですよ、涙線壊れます。


 要するに構成がすべて悪いのである。ぐぬう。

 しかし、本当にテーマは素晴らしいし、それを本当に巧みに使ってはいるからね……。

 その為、構成評価は低いが、物語として見たときの完成度は高い。

 次巻以降での話の膨らませ方次第では、かなりの良作にもなりうる原石だ。

 厳しいことを書いたが、読んで損などする作品では決してないし、機械系ジャンルやミリタリーを苦手とする読者でも読みやすい言葉選びがされているため、興味がある読者は手に取ってみてほしい。


ハル遠カラジ (ガガガ文庫)



……ツンデレかな?


▽うるさいぞ。

▽いやほんと、構成って大事ねって思いましたまる

▽これ、編集何も言わなかったのかね……作者だけの問題ではないと思う。

▽この、確実にもっと良くなるのがわかる作品に出会っちゃうと、何とも言えない無力感が。

▽しかし、最近のガガガ文庫は攻めてるね。

▽先月から良作ラッシュだもの。

『魔法少女さんだいめっ☆』も早く読まないとっ……学校行ってる場合じゃないっ!

▽行きなさい。読書は知性を――

ほんと好きですねそれ……

▽信条みたいなものだからほっとけ。

▽さて、それでは今回はこの辺りで。


あなたの読書ライフが潤わんことをっ☆


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