寄り道『web小説感想会③』

▽やぁ。

▽なかなかに作品数が多いことに目眩を覚えながら、まぁなんだかんだ読むのは楽しいうぃずだよ。

▽ということで足早に。

▼本文へどうぞ▼



××男と異常女共

作者 双子 シイタ


 男の周りには知らない人が見れば普通の日常が広がってると思うだろう。なんの不思議も面白味もないつまらない平凡な風景。
 
 男の周りには知る人が見れば異常な日常が広がっていると思うだろう。不思議で不可思議で奇々怪界な異様な風景。

 男の周りにはいつも異常が付き纏う。

そんな男の特徴を彼女らに聞いてみよう。

[ 男の特徴を述べて下さい ]
あの人の髪は金色です。
あの人の身長は決して高くありません。
あの人の目は鋭いです。
あの人の瞳は感情を映しません。
あの人は遠慮がありません。
あの人は何を考えているのか分かりません。
あの人は他の人と違います。
あの人に変わる人はいません。

[ あなたたちにとって男は何ですか?]
 私にとってあの人は……

 異常に付き纏われる男と異常を纏う女達。
そんな彼らの異常で異様で異界な日常がこちらになります。


※引用

 分類としては、ホラーサスペンスになるのだろうか?

 全体的に、文章や表現には若干の難を感じる。

 が、それも一般的の基準から多少ずれている、作者の表現の範疇と捉えることも出来る範囲であるため、技術の向上につれて改善されていくだろう。

 シナリオとしては『NOeSIS』を彷彿とさせるようなホラーチックな展開が特徴。

 ストーカーのストーカーを、更にストーカーで撃退するというのはなかなか面白いものだった。

 また、そのストーカー(3番目)が実はあのキャラだった、なんていうのも王道だが綺麗に纏まっていて良い。

 シナリオ面では何の問題もなく、素晴らしいものだと言えるだろう。

 少数のキャラクターで物語を回すというのは、かつてこそ主流であったが実は難しい方法である。

 この作品の1章は、それの見本になる出来と言える。1章であるため、文章力にさえ目を瞑ればその展開は参考になるだろう。

 改善点としては、やはり言い回しに難があるということか。

 なかなか洒落た言い回しを使ってはいるのだが、フォローが足りていないせいで伝わる読者が少ないように思える。

 ある程度砕くか、フォローを入れてわかりやすくするのが無難だろうか。

 また、主人公の無意味な悪態が散見される。

 相手がストーカーだったりするため仕方が無い気もするが、そういう場面こそ洒落た言い回しで暗に蔑んでほしいというのは個人的な感想だ。

 シナリオとして、完成度が高い作品になっているため読んで損はしないだろう。


▽リンク▽

https://ncode.syosetu.com/n1184eq/2/


ウェルメイドな異世界説話 ~手に持った物を悉く破壊する、の○太属性のドジっ子勇者が、今度は魔王の城を破壊し尽くすそうです~

作者 雪乃府宏明

不慮の事故で異世界に飛ばされた女子高生イツカは、飛ばされ早々『勇者』として祭り上げられ、魔王軍との戦いに放り込まれてしまう!

しかし、イツカが元の世界に戻るためのゲートとは、魔王の傍に鎮座する次元の先のモンスターを召喚する装置『ファフロスゲート』。唐突な事態に目を白黒させていたイツカだが、飛ばされた時に宿った『勇者』としての『次元を操る』恐るべきチート能力を開花させていき、魔王を倒すべく、仲間と共に旅に出る……!

だが、イツカは生まれつき『持ったものをことごとく壊す』という、狐顔のトンガリ頭に『の〇太はすぐ貸したものを壊すから貸さないよ』とか言われそうな謎の呪いを宿していた!

そのせいで巻き起こすトラブルは幾多に及び、彼女の旅は様々な困難に満ちることとなった……!

それでも仲間との絆を強く結び、いざ魔王との戦いに臨む!

だが、この最終局面において、イツカの運命を揺るがす残酷な試練が待ち受けていた……!


過去と現在が複雑に絡み合い、次元間を越えた戦いと濃密な人間ドラマを描くハイファンタジー!

※引用

 作者曰く『 テンプレではない』らしい王道ファンタジー。

 まだ導入+転生直後の為シナリオに関しての言及はあまり出来ないが、強いて言うなら『導入部分が長い』のではなかろうか?

 この作品はゲーム等で稀にある、『来る未来』から始まる物語であり、簡単に言えばエンディング間近辺りから導入が始まる。

 魔王城に潜入→魔王と戦う直後までが導入になる訳だが、これに結構な文字数を割いているのだ。

 また、登場する仲間やその能力、更には主人公の必殺技まで登場してしまっている為、物語の中での成長を楽しむ、というのが薄れてしまいかねない。

 この導入自体は悪いものでは無いのだが、もう少し情報を絞るべきではないだろうか?

 文章進行だが、こちらに関しては特別読むに難儀しただとかそういったことはなかった。

 登場する用語も理解に苦しむ物はなく、その説明に関しても良い塩梅であると言えよう。

 スキルのネーミングセンスも程よく厨二的で浸透しやすいのではないだろうか。

 指摘をするなら、地の文でキャラの名前を多用している為に、多少引っ掛かりやすいということだろうか。

 これに関しては、表現力を磨いていくうちに改善されるだろう。

 ファンタジーとしての出来は、ここからの展開にかかっている。

 故に、あまり詰め込みすぎずウェルメイドの名の通りの展開を紡いでいけば、読みやすいファンタジーとしての人気を獲得することも可能だろう。

▽リンク▽

https://ncode.syosetu.com/n0463er/5/


花を咲かせる魔法使いは取り敢えず楽をしたい

作者 二修羅和尚

 花富士薫(はなふじかおる)は今年大学生になったばかりの青年である。

 見た目もそれなりによく、最低限の家事や料理もこなし、運動、勉強もそれなりにできる。

 そんな自他ともに認める高水準な人間である彼には一つ、大きな夢があった。

「ヒモになって好きな事して楽に生きたい」

 そんな彼が御送りする異世界での新生活。

 相変わらずの夢を目標に、今日も彼は花を咲かせることでしょう。

※引用


 基本的にはなろう的異世界スタンダード。

 差別化点としては、主人公の魔法が花魔法という花を咲かせる魔法ということだろうか。

 花言葉や花の種類を熱心に調べて書いているのは伝わるが、しかし花の外見や特徴についてはほぼ触れられておらず、仮に触れられたとしても『椅子の様な白い花』と曖昧に濁されていることがある。

 折角の植物路線であるなら、花言葉や毒性だけに依存するのではなく、その見た目や生息条件なんかも上手く盛り込むと面白くなるのではないか?

 気候や土地条件によって扱える花の種類が変わったりだとかね。

 また、万能の果実というアイテムがあり、それを主人公は自在に生産出来る訳だが、これがあまりにバランスブレイカーに過ぎる。

 食べれば外傷すら治癒させ、難病すら治す神の果実だそうだが、コイツの扱いは相当慎重にしなければ読者から『大体リアの実食わせとけばなんとかならね?』と言われかねない。

 作中でも、出来るだけ人目に触れさせない方向性にしていく方針なのは伝わったが、上手い塩梅で扱わなければいけないだろう。

 目の前で主要キャラが大怪我負ってる時に出し渋ったりしなくてはいけない状況だけは避けねばならない。

 文章は終始一人称で進められ、読みやすい文体である。

 しかし、特別ユーモアが効いているだとか癖がある、という訳では無いので平坦な印象が拭えない。

 シナリオも引き摺られる形で平坦になりがちであり、チート異世界物である以上難しいかもしれないが、物語に緩急をつける必要性はあると感じた。

 しかし、なろうスタンダードとして考えれば書籍化されてる物にも同じような文章・シナリオ感で書かれているのは多いので、安定を求めるのならこのままの進行でも特別問題とはならないだろう。

 前例を踏まえれば『売れる』物語になる可能性はあまり高くないが……。

▽リンク▽

https://ncode.syosetu.com/n8144ef/5/


元ニートでも異世界で最強になれますか?

作者 腹ペコ侍


 二ートが突然チート能力の適正者として異世界転移!?

 手にいれたのは【王の力】という「仲間の存在によって新たなチート能力が手に入る」規格外のチート能力だった‼

 主人公山野裕二は冒険の旅の中で様々な身分や事情をもつヒロインや人と出会うことでその【王の力】をチート化させていく。

 そして神に頼まれた世界を救うという目的を果たすために様々な困難に立ち向かってゆく。

※引用



 タイトルもそうだが、そのままなろうスタンダードの異世界転移物、転移した理由は『堕落したニートだから』という世界の人口をかなり削減しかねないとんでも理由である……。

 作者自ら『初投稿』と行っている通り、その内容は発展途上である。

 但し、初心者の文章として見るのなら、地の文と台詞のバランスは悪くなく、また地の文も支離滅裂なことを書いている訳では無いためこのまま書き続ければ上達が見込めるだろう。

 シナリオは上記の通りなろうスタンダードであるが、処女作である以上あまり厳しいことは控えておく。

 敢えて言うのならなろう転生物ではなく、ある程度硬派なファンタジーを読んでから世界観設計をすれば進行もしやすくなると思われる。

 基本的な文法に関しても、単純に読む物量を増やして投稿を続けていけば自ずと磨かれていくだろう。

 指摘としては、少々台詞回しが前時代的であるということだろうか。

 軽いノリ自体は悪くないのだが、こう、真顔で読んでしまうような台詞回しが散見される。

「まあしいていうならーなんとなくなんだけどー。そしてここは元々君のいた世界と別の世界てーきーなー場所だZE☆」
「いや、それマジでシャレにならんから」

 だとか。

 こちらはセンスに依存する部分もあるが、単純に知識量の問題もあるだろう。

 ギャグ路線で行くにしろ、ハイファンタジー路線で行くにしろ、研鑽は必要だ。

 最初は異世界チート物でも馬鹿らしくても何でもいい、作者が『書いてみたい!』と思った、その気持ちを忘れずひたすらに邁進して欲しい。

▽リンク▽

https://ncode.syosetu.com/n9922ek/2/
 


チートはズルだが役に立つ

作者 キクチ様

俺はごく普通の男子高校生、酒井有利。家の近くにある自販機に飲み物を買いに夜中に外を歩いていた時、 黒ずくめの車が真っ直ぐ向かっているのを目撃した。財布から小銭を探すのに夢中になっていた俺は、背後から近付いて来る、その車に気付くのが遅れた。俺はその車に撥ね飛ばされ、目が覚めたら……。

 真っ白い空間に居た!!

 そこで出会った神様いわく俺は死んでしまったらしい。だが、それは手違いだった。神様の助言で異世界転生する事になった俺は、神様から何かチート能力は要らないかと尋ねられ、とっさに想像したものを創造する能力と魔法の才能が欲しいと答え、神様の力で異世界へと転がり込んだ。

 小さくなっても頭脳は大人! 俺TUEEEEな展開希望! 

 その名も以下略。

※引用


 コナンの最新映画は面白かったね。

 それはさておき、こちらもなろうスタンダードの異世界転生物。

 転生動機は『黒塗りの車に跳ね飛ばされたから』

 そして物質創造能力と無限に近い魔力を得て転生する訳だが、赤ん坊スタートである。

 ここからの展開は『無職転生』や『ワールド・ティーチャー』等の先駆けに散見される『幼い頃より魔法が使える』展開が始まる。

 例に漏れずこの作品もそうなのだが、要所要所での例えが少々マニアックな節がある。

 というか、魔法の喩えが光線兵器だらけである……。

 ある程度、それらを想像出来ない読者にも優しい文を挟むようにするといいだろう。

 また、台詞の割合がそこそこ多めだ。

 台詞だけ辿っていても展開がわかるというのは美点ではあるが、それは地の文が希薄になっていることを意味する。

 情景描写や心情描写に力を入れる必要性があるだろう。

 年齢設定に少々無理があるのも気になるところだ。

 3~4歳児では流石に、色々早すぎるのではないか? 

 最後にシナリオについてだが、こちらも異世界転生の王道イベントをこなしているという印象。

 故にインパクトは薄いため、何かしらの差別化は必須と言えよう。

▽リンク▽

https://ncode.syosetu.com/n1300eo/3/



▽今回も5作のレビューだ。

▽やはりというか、転生物というのは人気があるね。

▽それだけに、他作品との差別化はかなり難しく、『広き門狭き道』となっている。

▽転生・転移ジャンルでこれからのし上がりたいのなら、他作品の研究は必須と言えるね。

▽個人的には『異世界拷問姫』や『インフィニット・デンドログラム』辺りの人気作かつ高水準の設定と文章を持つ作品を読み込むことをオススメするよ。

▽後者はゲームダイブ物ではあるけどね、最近の異世界はゲームライクなことも多いから参考になるんじゃないかな?

▼それではまた次のブログで会おう。




▼そうそう、次あたりから一度にレビューする作品の数が減るよ。

▼理由は『残りの作品の話数が多いから』なんだけどね。

▼すまないけれど、理解して欲しい。



▼それでは今度こそ。

コメント

非公開コメント