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寄り道『 web小説感想会』①

▽やぁ

▽GW真っ最中、絶妙に暇を持て余している管理人だよ。

▽と言っても、たかが2連休なんだけどね。

▽ま、しかし仕事の虫をやっていると、2連休でも長すぎる休暇な訳で。

▽暇すぎて思い立ったのが、web小説の感想記事って訳なんだけど。

▽僕は書店員だからね、褒めもするけど切り捨てもする。

▽それを了承した上で、進んでほしい。

▼それでは、本文へどうぞ▼




誤職業はスケルトン《Lvl : 1》でした~エロと魔獣の最弱混合生物は、村人A(素敵なおじさま)としてモブなりに最強の魔王を罰ゲーム感覚で圧倒する~

作者 汁場


 ブラック企業で働いていた主人公は、押し付けられた仕事を残業で片付けている時に会社が物理的に炎上するのに巻き込まれて焼死する。

 目を覚ませば、体が骨で構成された最弱の魔物――スケルトンになってしまっていた。

 案内人スキルと魔物吸収で邁進する異世界ファンタジー。


 手始めはこちら。粗筋は僕が適当にざっくり書いてるだけだから気にしないでね。

 簡単に言えば、魔物転生スキルゲットファンタジー。

 案内人スキルはいつもの鑑定スキルだね。

 スキルレベルが上がると(性格的に)扱いにくくなる面倒なスキルで、しかも有意義に働くとは限らない。

 現実で乱数調整とかやりだす始末、最早これゲーム世界ではなかろうかとも思うがまぁそれは置いておこう。

 全体的に軽いノリで展開されており、主人公もさっくりと死を受け入れて転生する。

 転生後も、あーだこーだとくだらないことを考えながら前向きに進む様は好感が持てる。

 ただし思考内容は基本的にクズっぽい。

 序盤はことある事に骨が物理的に外れる。骨と骨は謎の力でくっついているようだが、動くだけで外れたりする。

 その割に、物理攻撃は無効にしたり少し設定に荒が目立つだろう。

 スライムを取り込んで形態変化的なスキルを得るが、この時の『骨格擬態』的な発想はかなり良いと思う。

 対象の骨格に擬態する、というのは絵面的にも格好よく、また程よくやりすぎではなくて大変良い。

 この設定を活かして展開していくと、他の魔物転生物との差別化が出来るのではないだろうか?

 文章の読みやすさ自体は、軽いノリであるためそこそこ。

 但し、時折突然説明不足の設定がぶち込まれたり(物理無効の行だとか)する為、軽いノリの割には何度も読み直さなければ行けなくなることもあった。

 軽いノリの一人称視点というのは、著者のセンスがかなり試される為、漫才などのやり取りを見て研究するとより面白いものになると思う。

 僕自身の素直な感想だと、今の所は他作品との差別化が弱い。

 特に『スケルトン転生』というのは書籍化されてぼちぼち人気が出てきている先人作品がある。

 故に、このまま続けるのなら何かしらの『差別化』をしていかないと、読者獲得は難しいかもしれない。

 但し、上でもあげたように『骨格擬態』には可能性を感じた。

 安易に他種族のスキルを奪ってチート無双せずに、この骨であるからこその旨味というのを生かして行ってほしいと思う。

 厳しいことも書いてしまったが、これから次第では期待出来る作品だ。

▽リンク▽

http://ncode.syosetu.com/n2603es/



『狂った名家の堕とし児の英雄譚』

作者 三郎冠者


 賃貸の契約書を読み込まなかったが故に、実はそれが異世界に召喚されてしまうものだと気が付かなかった主人公は、ダークエルフの体で転生する。

 その転生は、主人公の知らぬ魔術師の狂った願いと野望がもたらした物で――。

 理不尽な転生に抗い復讐を誓う、ダークファンタジー。


 理不尽ダークエルフ転生譚。まだ6話までしか更新されてないため、深くは考察出来ませんがわかる部分で書いていこう。

 主人公は、キャンパスライフを夢見て一人暮らしの部屋探しをしていたのだが、その時のとんでも契約書に目を通さなかった為に強制異世界転生されて尚且つリスキルされるという理不尽極まる作品。

 リスキルされる物の、転生時に主人公の中に居た『何者か』の意思が消えただけで、主人公はどうやらオート蘇生スキル的なのを持っているらしい?

 文章としては、ひたすら感情をぶつけながら書きなぐった感じの勢いある文章。

 但し、それを多すぎる説明で殺してしまっているのが勿体ない。もっと主人公を荒れ狂わせるくらいじゃないと、復讐譚としては弱いかな。

 異世界物の常として、説明が多くなるのはある程度仕方が無いとは思うが、それにしたって本に書いてある内容全てを羅列するような、そんな説明はやり過ぎだろうと思う。

 例えばだが、進行するにつれて必要な分だけ小分けにする等した方がいい。

 また、異世界特有のファンタジー要素に関しても主人公が理解するのが早すぎる。

 自らを転生させた存在を憎む、その力を利用してでも生き残って復讐する。それは分からないでもないが、契約書をまともに読まないような人間が例え窮地に立たされたからと言って残された文献全てを読み込んで、尚且つ説明出来るほどに理解出来るとは到底思えない。

 これも、生命的窮地に立たされた際に『思い出して』反射的に使えてしまった、位の方がいいだろう。

 最初から脳内にインプットされていた~という設定なら、そも文献を読み漁る必要も無い為、そうではないのだろうと思う。

 世界観設定に関しては、現状よくあるRPG。作者のコメントでもそう想像してくれてと言っていた通り、そこの設定は読者依存。

 故に、ここから魅せる物語にしていくのなら、主人公の『復讐』感情を燃えたぎらせるような、煮詰めさせるようなさらなる理不尽を浴びせていくのがいいのではないだろうか。

 理不尽に理不尽を重ねて、それが一気にバーストした時にこそ復讐譚の与えるカタルシスは最高潮まで跳ね上がるのだから。

▽リンク▽


http://ncode.syosetu.com/n4186ep/


誰が為の黄昏 ~五色の蝶は何故地を這う~

作者 べっこう飴


 近代日本で巻き起こる、"機関"と"組織"の裏抗争。
 それの中核では、今日も少年少女が暗躍していた。
 数多の思惑が糸を張り、複雑に絡み合うシティスパイストーリー(特殊能力もあるよ)。


 雰囲気としては、なかなか悪くない。

 組織や機関の暗躍、そんな響きが好きな厨二病患者には染みる設定だ。

 夜闇を駆け抜ける影、なんてのは定番であるが王道であり、やはり格好がいいものだ。

 全体的なストーリーとしても、スパイストーリー的な基本は押さえていると思う。

 しかし、致命的に読み辛い。

 文章が悪いのではなく、兎角視点変更が多すぎるのだ。

 複数人へ次々と視点変更していく様は、群像劇と言えば聞こえはいいかも知れないが序盤で何度もやられると理解が追いつかない。

 その上に陰謀やら被せるものだから、序盤を読み抜けるのは中々に大変だった。

 ある程度読者に世界観を理解してもらって、そこからきっちりフラグたててからの群像劇であれば悪くない世界観だと思うのだが、そこに至るのに思考を要すると思う。

 また、用語が多めであるため、これもこちらの理解を阻害している。

 しかし、一々の説明が少なめなのは好印象だ。視点変更の頻度を見直せば良い作品になる可能性が秘められていると思う。

 上でも書いた通り、文章的問題は感じられない為、プロットの見直しをするといいかも知れない。



▽リンク▽

https://ncode.syosetu.com/n8381eq/




似非占い師 ―心の闇を喰らう者―


作者 大石 優


 『目を合わせた相手の思い描いている記憶を盗み見る』能力を持つ主人公は、その能力を生かして占い師紛いのことをしていた。

 ある時出会った女性の記憶を盗みみれば、以前出会ったとある企業の社長と何やら因縁があるらしい。

 金になる予感を感じた主人公は能力と言葉を駆使して因果を探っていくが――。

 利己的に悪を断じる、ダークヒーロー譚。


 占い師をしながら、記憶を覗いて負い目のある相手をジャッジメントですの!しながら金を巻き上げていくダークヒーロー?物。

 全体的に落ち着いた雰囲気で進行され、故に安定して読み進めることが出来る。

 記憶を盗み見て、それを利用して揺さぶる訳なんだけど、若干その過程が弱いかなって位。

 もっとじっくり外堀を埋めて、相手を完全に逃さなくしてから仕留めにかかって欲しいとは思った。

 今の所は、少し詰めが力技地味ているかなーと感じる。

 また、作品の雰囲気のせいもあるが、キャラクター付けは弱めである。

 純文学路線であるならシナリオの精査に力を入れればいいと思うが、ライトノベル路線を目指しているのならなんらかのテコ入れは必要だろう。

 とは言ったが、伏線張りを頑張ってしようとしていることや、文章の安定性は評価したい。
 
▽リンク▽

https://ncode.syosetu.com/n5112ep/




前職勇者~静かに暮らしたいので隣の異世界に転移する~

作者 十日村


 転生して魔王を倒し、あらゆる栄光を得て贅沢を極めた勇者。
 しかし、その栄光は全て転生スキルのお陰ではないかと悩み、そしてその結果全てを捨てて再転生することを決めた。
 魔力もスキルも全てをかなぐり捨てた勇者の、2度目の3度目の人生や如何に――。


 模範的転生物のエンディングから再び転生した、この物語はそこから始まる。

 魔力やスキルというのを全て捨てているから転生でも間違いないのかもしれないけど、多分これ転移だよね?

 生まれ変わっているわけではないと思う、多分。

 まだ4話までしか更新されていないが、全体的に文章には難を感じない為読むのは苦にならない。
 
 前回の経験を生かして市場調査をしたり、今は生活の基盤を整えようとしている場面なのだろうか。

 しかし、酔狂な老人に電化製品買い取ってもらって初期資本を得るというのはちょっと、残念だった。

 転生で得たスキルで栄光を得たことが嫌になって人生やり直している筈なのに、最初から詐欺まがいの資金集めはどうなのだろう?

 また、老人側が相手の本質を見抜くスキルを持っていて、それを使って主人公の望みを見抜いた故の善業である、但しこれは施しではなく私が安時計を欲しかったからだこれは正当な対価だ、なんて件もあったが、読者を納得させるための作者の言い訳を老人に代弁させているのではないかと思えてしまう。

 また、展開についても現状ファンタジー世界である必要性もなく、やっていることは焼きそば食べてカフェでお茶して、である。

 文章力に問題がない以上、このテーマ自体は悪くないのだからプロットをしっかり練り、物語の方向性を決め、ある程度の目的を持たせるべきだ。

 それが読者に『もっと続きを読みたい!』『これここからどうなるの!?気になる!』と思わせる最低限の因子である。

 まだ4話である為断じるには早いかも知れないが、逆に言えば序盤で惹き込む為の魅力は欠如していると書かざるを得ないだろう……。

 文章力自体は問題なく、説明を挟むペースも丁度いい位なので、是非とも深い考察の後に文章を書けば良い物語を書く素質は十分すぎる程にある。


▽リンク▽

https://ncode.syosetu.com/n6747es/






▽そこそこきついことも書いたけど、先ず始めに5作品の感想を書かせてもらったよ。

▽ただ、一介の書店員に過ぎない人間の話だから、これを読んで落ち込んだり、また激怒する必要は全くない。

▽僕の判断基準は『売れる』か『売れないか』が根幹にあるしね。

▽話半分くらいに読めばいいかなと思う。



▼パート①終了▼

コメント

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多大なる感謝を

RANO部屋さん

二時間にも亘る『殴り合い』、本当に有難うございました。
失礼な言い方かもしれませんが、とても楽しかったです。

お眼鏡にかなった作品ではなかったのかもしれませんが、これからも主人公は進み続けます。
また気が向かれましたら、お読みいただけますと幸いです。

大いなる感謝を込めて 三郎冠者